運動会って子どもにとって本当に必要なのでしょうか?
「運動会って子どもにとって本当に必要なのでしょうか。」ある先生の一言が、考えるきっかけになったのです。
暑い夏の時期に、重い鼓笛の楽器を持って何度も何度も練習します。年少さん達は、そんな年長さんに憧れながら、おりこうに待っているのです。 先生も一生懸命、子ども達も一生懸命、晴れの舞台では、よい演奏に保護者も先生も涙して感激したものでした。 夢中の時には気付きませんでした。当然周りの幼稚園も、皆同じように取り組んでいました。
ところが、子どもの視点からほんとうに幼児期の子どもの成長に、今必要なことなのだろうかと、立ち戻って考えてみると疑問がわいてきました。 大人の自己満足だけで子どもには、負担をかけているのではないか、大きな音でマーチングすることより、子どもの耳に優しく働きかける音が大切ではないか。
年間のリズムに呼応した意味ある行事であるのか・・・今まで見えていなかったことが浮き彫りになりました。 先生方皆で考え、少しずつ形を変えていきました。楽器を変えて、オリジナルの鈴や拍子木、水笛を使ったリズム表現を取り入れる、幼児期にはまだ早い競争はやめて親子の取り組みし、時間も短縮する工夫をしてとても良い方向に向かいました。 しかし、何年か後に保護者の皆さんとの意見も同様に”運動会はやめましょう”という結論に至ります。 幼稚園の保育の中で大切にしている、子どもの心の安定を生み出すリズム(一日のリズム、一週間のリズム、一年間のリズム)に呼応した行事を基本にして考えていこうとする、大きな第一歩でした。
身体をつくることがお仕事の子どもには毎日たっぷり遊べる時間がなにより大切です。行事のために練習時間を費やし疲れきってしまう時間の過ごし方はもったいないですね。