岐阜県岐阜市岩滝西の清流認定こども園 わかくさ幼稚園部・なのん保育園部

清流認定こども園わかくさ幼稚園部・
なのん保育園部

施設紹介

~清流認定こども園の紹介~

施設紹介

新園舎コンセプト

大屋根の下に0~6歳の子どもたちと、それを支える人たちが集う場をつくった。天井に規則正しく並ぶ梁はマツ、壁の仕上げにはスギ、壁の中に隠れている柱と子どもたちが駆け回る床にはヒノキが使われている。全て地元の岐阜県産材である。木材だけでなく内外部で使用する塗料はじめ、仕上材の多くは自然素材由来のものを厳選し、子どもたちが生活する場として、安心・安全な環境をつくり上げた。

大屋根はアプローチから奥に向かって高くせり上がっている。園舎の中を歩いていくと、その天井高さの変化と、トップライトから落ちる光の変化があいまって様々な表情を見せてくれる。

0~1歳児室(くるみ)は、天井高を抑え、落ち着いた環境とする中に、ステージにもなる出窓や、家庭のキッチンを思わせる調乳スペース、小さく壁に囲まれたエリアなど、子どもたちがお気に入りの場所をつくっていく手がかりが散りばめられている。

2歳児室(どんぐり)は、気積が大きく、外部とは別に多目的ホールにもつながる窓も設け、子どもたちの興味・関心が外の世界に広がっていくのと呼応するように、活動的な性格を強くしている。

多目的ホール(みんなのホール)は、子どもたちの遊び場だけでなく、保護者や小さなお子様連れの親子を含めて地域の方々が集う場でもあり、清流認定こども園の要となる空間である。調理も楽しむことが出来る2つの薪ストーブが据えられ、炎のゆらめきやパチパチと薪が爆ぜる音を楽しむことで、家では体験できない特別な時間をすごすことが出来る。

みんなのホールからエントランスを見返すと、廊下から0-1歳児室までつながって見え、園舎全体が大きな木の天井に包まれていることが感じられる。

建物の全体イメージは、現代的な材料、工法をとりつつも、伝統的な日本建築の息吹を感じるものを目指した。総純寺に隣接し、古くはその境内であった地に建つ園舎ということだけでなく、最新の保育メソッドと日本の伝統文化を融合させ、愛とぬくもり、そして本物の環境」を大事にする保育理念(リーベリースタイル)を持つ学校法人総純寺学園の姿を体現する園舎でありたいという思いからである。

新しい園舎の北側には、建物に囲まれた落ち着いた庭を、南側にはデッキテラスを通じて保育室とつながる活動的な園庭をつくっているが、こども園全体の整備はまだ途中段階で、二期工事でさらに外構整備を進める構想が進んでいる。

今後、新しい園舎を中心として、建物の内外部に様々な場がうまれ、子どもたちだけでなく、この地を訪れる全ての人が、それぞれお気に入りの場所を見つけられるような環境に育っていくことを願っている。

広谷純弘+石田有作/アーキヴィジョン広谷スタジオ